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take a breather

第9章 Calling

「揶揄わないでくださいっ
男の寝顔が可愛いはずないでしょっ」

顔を紅くしたままボウルの中身を菜箸でグルグルとかき混ぜる

「翔…そんな凄い勢いで回したら中身飛び散るぞ」

「あ…ごめんなさいっ…」

軽く注意しただけでシュンとしてしまう姿も可愛いんだけどね

それも本人わかってないよなぁ…

「しょお?」

「…は、い」

上目遣いで俺を見る

「あんま可愛いとこ見せんなよ」

「え…」

「我慢、出来なくなんじゃん…」

腕を掴み引き寄せ抱きしめる

「おっ、大野さん⁈」

「知ってる?俺、お前とふたりでいると
ずーっとお預けくらってる状態なんだよ?」

「で、でもっ、さっき…キス、しましたよ?」

「あれはあそこまでのお預けの分…
またそこからお預けくらってんの」

「そんな…あっ…」

耳元にチュッとキスをするとビクッと震える翔…

首筋に沿って舌を這わす

「あ、んっ…」

カチャッ…
翔の手から菜箸が滑り落ちた

「お、おのさっ…」

翔の手が俺のシャツを握る

「みゃあっ!」

「え"っ…」

足元に僅かな痛みを感じ、下を見ると
ブルーが俺の足の甲を引っ掻いてた

「あっ!ブルー ダメだよ、おいたしちゃ!」

翔が慌ててブルーを抱き上げる

「ふぅ"ぅ"っっ!」

俺に向かって威嚇してる?
翔を虐めてるとでも思ったのか?

「ブルーやめなさい」

翔がそう言うと唸るのをやめ、哀しそうに翔を見上げた

「心配してくれたの?
大丈夫、大野さんなにも悪いことしてないよ」

「みぃ…」

なんだか俺、翔を襲った悪者みたい…

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