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take a breather

第12章 Step and Go

「大野さん…最初に言いましたけど
ショウは同じ人に2度は抱かれませんよ?」

「…わかってるよ」

別にあいつを抱きたいと思ってる訳じゃないんだ…

ただ、あいつが今どうしてるのか知りたい

今日もまた別の場所で男を探し
抱かれているんだろうか…

淡々と相手を攻め
自分は気持ち良くならないような行為を夜な夜な繰り返しているんだろうか…

そんな事になんの意味が…

「ショウの元カレってバイだったの?」

「そうなんでしょうね
同時に男性と女性を愛してたんでしょうから」

「そうだよな…
だから俺も女だけにしとけって言われたんだな」

「ショウに何か言われました?」

「ん…『女を抱けるなら女と付き合え』って…
『男相手じゃ何も生まれないから』だと」

「男を愛せるタイプにも色々ありますからね」

「例えば?」

「俺のように元から男しか愛せないタイプ
女性の体に興味がないから女性に行くことはない

で、カズのように元は女性と付き合ってたけど男性に愛されるようになったタイプ
愛される気持ち良さを体に覚えこませたから
もう女性に戻ることはない

あとは大野さんやショウの元カレのように
女性の体も男性の体も愛せるタイプ
これはどちらに転ぶかわからない
将来を考え女性と結婚し子を残すか
それとも男性を生涯のパートナーとして愛するか…
考え方次第でしょうね?」

「どっち選んでもいいけどさ
それを同時進行でされたら たまったもんじゃないよね
10年だよ10年…時間を返せってぇの!」

怒ったように吐き捨てるカズ…

「そんなに長いつきあいだったのか?」

「出会いは中学生の時、家庭教師だったそうです
初めて体を重ねたのは高校に入学してすぐの頃
相手は大学を卒業して社会人になった年だって言ってました」

そんなに若い時からの付き合いなんだ…
おそらく初めての相手で、そこから10年…

そりゃあトラウマにもなるわな

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