テキストサイズ

雪原に咲く椿

第1章 邂逅ーツナガリー

椿色の髪に雪のように白い肌、中性的な顔立ちをした小柄な少年。


そして、椿と雪が何より好きだった。



“この世界で一番綺麗なもの”



よくそう言っていた。


確かに綺麗だと思うが、どうしてそこまで言い切れるのか。


「……本返しにいくか、雪が酷くならないうちに」


考えると長くなりそうだと判断し、机の上に積まれた本をカバンの中に突っ込み、深緑色の外套(がいとう)を纏い外へ出る。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ