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北アルプスの少女と廃寺

第3章 サクラが立った!

「今こそあの兵器の封印を解くのじゃー!」


「封印ってなんの?
おじいさん」


「僕もそんなの初めて聞きましたよ」


「こんなこともあろうかとその昔に作っておいたのじゃ!」




「…それが、これ?」



「…車イスですね」



「ただの車イスではない。イスの下に小型のエンジンを積んでおるから時速40キロのスピードが出る。ガソリンタンクは背にあり、足元のペダルでスピードを調節する。
そして更に、左右にノズルがついておるだろう」


「あホントだ
チューブが通してあって肘掛けの部分に小さな液体タンクがあります」


「除菌消臭剤じゃ。
左からはリセッシュ、右からはファブリーズが出る。その飛距離約3メートル。
これがわしの考案した対廃人用兵器じゃ!」


「すごい画期的ですよ!
これなら除菌しながら高速移動できる!」

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