CAさんの秘密のお仕事
第12章 決断
奈穂「…」
誠二「…!?」
奈穂「…本日、長澤誠二様の担当をさせ
ていただく佐倉奈穂です、よろしくお願
いします」
誠二「…」
奈穂「お隣、失礼します」
誠二「…」
奈穂「…っ」
確実に目は合ったが誠二は無表情のまま
特に何をする事もなく窓の外
空港を見つめていた
誠二「…」
奈穂「私、小百合さんの友人で前に一度
家にお邪魔した事あるんです」
誠二「…」
奈穂「小百合さんには日頃からお世話に
なってて、だから」
誠二「…」
奈穂「だから…」
誠二「迷惑かけてませんか」
奈穂「えっ?」
誠二「彼女、しっかりしてるように見え
て実はドジなところがあって…」
奈穂「そうなんですか?」
誠二「間違えて同じ物よく買ってくるし
砂糖と塩を間違えたり、お米の水加減も
よく間違えるんです」
奈穂「…」
誠二「だから心配で…」
奈穂「小百合さんがドジするのは長澤様
の前だからじゃないですか?」
誠二「俺?」
奈穂「長澤様を信頼して気を許してるか
ら本当の、素の自分が出るんですよ」
誠二「素の自分…」
奈穂「はいっ」