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奈穂「長澤様しか知らない、小百合さん
の本当の姿ですよ」

誠二「…」

奈穂「…？」


一瞬だったが
誠二の表情が和らいだ

その表情から小百合同様に誠二も
小百合の事を本気で想い
大事にしている


誠二「…」

奈穂「…（笑）」


それが伝わってきた
だから言わずにはいられなかった


奈穂「…長澤様…」

誠二「？」

奈穂「小百合さんは長澤様の事、本気で
愛してます」

誠二「何ですか、急に…」

奈穂「でもお見合いするんです」

誠二「…」

奈穂「もしかして…」

誠二「…知ってます、昨日言われました
来週、駅前のレストランでお見合いする
って…」

奈穂「来週…」

誠二「…」


小百合がお見合いする事は聞いていたが
日にちや場所などは聞いていない
でも誠二は知っていた

誠二には詳しく話していた
それはきっと…


誠二「邪魔するなって事ですかね」

奈穂「違うと思います」

誠二「えっ」

奈穂「小百合さん止めて欲しいんだと思
います、長澤様に」

誠二「…」