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奈穂「…」

宏樹「お待たせ」

奈穂「…」

宏樹「すいません、コーヒーを」

店員「かしこまりました」

奈穂「…」


待ち合わせ場所はホテルではなく喫茶店
宏樹は最初、人目もあるからと
ホテルを志願されたが
断固拒否した

奈穂自身も本当は内密に話したかったが
ホテルで会うと話せない気がして
会うのは喫茶店にした


店員「お待たせしました、コーヒーです
ごゆっくりどうぞ」

宏樹「…っ、熱っう…」

奈穂「…」


久しぶりの再会に
少し緊張している様子の宏樹
そんな宏樹とは逆に奈穂は不思議と冷静
だった


宏樹「…」

奈穂「…電話…」

宏樹「！？」

奈穂「…電話、出なくてごめんなさい…
メールも、全然返さなくて…」

宏樹「いいよ、仕事で忙しかったんだろ
う？」

奈穂「…っ、ごめんなさい…」

宏樹「いいって、こうしてまた会えたし
今まで通り…」

奈穂「妊娠してるの」

宏樹「えっ」

奈穂「妊娠してるの、私…」