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CAさんの秘密のお仕事

第16章 一番の願い



一郎「奈穂さん」

奈穂「…」

一郎「大事な話があります」

奈穂「…はいっ」

一郎「…」


向かい合って座っていたが目を合わさず
お互い黙ったまま時間だけが
無駄に過ぎていた


奈穂「…」

一郎「奈穂さん、これを…」

奈穂「えっ、はいっ」

一郎「…」


口を開いたと思ったら
突然、小さな四角い箱を渡された

別れ話を覚悟していただけに拍子抜けで
すぐに思考が追いつかず乱暴に
箱を開けてしまった


奈穂「プレゼントなんて、どうしたの?
記念日でもない、し…」

一郎「…」

奈穂「これは…」

一郎「婚約指輪、安物だけど」

奈穂「…」

一郎「僕からこの指輪を受け取ってくれ
ませんか」

奈穂「…っ」


箱の中身は婚約指輪だった

安物と言っていたがダイヤが光っていて
箱にも有名ブランドの名前があり
安いわけがなかった


一郎「返事は急がないから」

奈穂「私からも」

一郎「?」

奈穂「私からも、一郎さんに大事な話が
あります、聞いてもらえますか…」

一郎「うんっ」

奈穂「…」


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