CAさんの秘密のお仕事
第16章 一番の願い
一郎「じゃあこれっ…」
奈穂「…っ」
一郎「置いていくから、ゆっくり考えて
また連絡するから、おやすみ」
奈穂「…」
合い鍵だと思った
過去の事とはいえ軽蔑して当然
一方的にフラれても仕方ないし引き止め
られない
だけどテーブルの上に置かれていた物は
合い鍵ではなく渡された
婚約指輪だった
一郎「…」
奈穂「一郎さん!!」
一郎「?」
奈穂「今の、私の話聞いてましたよね?
私が過去に何してきたか」
一郎「聞いてたよ」
奈穂「ならどうして…」
一郎「?」
奈穂「どうして指輪、置いてくの」
一郎「どうしてって、プロポーズしたか
ら」
奈穂「でも、いいの?」
一郎「話しを聞いた時は正直、驚いたし
ショックだったけど、でも過ぎた事だし
大事なのはこれからだから」
奈穂「これから…」