CAさんの秘密のお仕事
第6章 彼らの秘密
奈穂「…」
気づけばあれから二週間が経過していた
宏樹からの電話やメールはなく
空港で見かける事も
なかった
小百合「奈穂ちゃん、時間よ」
奈穂「あ、はいっ!!」
小百合「今日のお客様は二人らしいから
頑張ってね」
奈穂「二人!?」
小百合「お客様から二人一緒じゃないと
絶対に嫌だって言われて…」
奈穂「…」
小百合「なんなら私、代わろうか?」
奈穂「大丈夫です」
小百合「…」
二人を同時に接客するのは初めてだった
極秘旅行らしく事前情報は一切なし
一体どんな人が来るのか
ドキドキだった
奈穂「…」
カップル、兄妹、それとも政界関係者か
そんな事を考えながら歩いていると
目の前にいた男性に思い切り
ぶっかってしまった
奈穂「痛たたっ、すいません…」
廉「…」
奈穂「あなたは」
廉「静かに、あんまり大きな声出すなよ
周りにバレたら騒がれるだろう」
奈穂「すいません…」
廉「…」