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どすけべカメラマンに犯されています!

第8章 この世は不平等で満ちているのよ。

「由奈もお疲れ気味ですね」

「お前らほどじゃねぇよって言いたいところだけど、まぁそうだな。なかなかのクセモノジィさんだった」

肩を回してため息をつく間宮さんにお茶を渡すヒカリ様は、まるで奥様のよう。
一連の動作があまりに自然だった。

「でも納得してくださったんでしょ?」

「当然。だってオレだぞ?流石だなあの切り返しは天才としか言いようがない」

ここまで自信過剰な人もなかなか珍しい。
けれどこれまでの実績と実力を思うと確かにと思ってしまう。
恵まれた容姿、なぜか人を魅了する存在感、天才的な才能。

天は間宮さんに何物を与えたのかしら……。

「桃、この世は不平等で満ちているのよ」

私の心を読んだような言葉。
そうは言われても納得がいかない。

天に何物も与えられたのは姉様も一緒。

姉妹なのに、ここまで違うものかしら?

消化不良を起こしたかのような気持ち悪さを感じてしまう。

「考えすぎは貴女の悪い癖よ。ただひたすらに努力なさい」

はぁ、それにしても美味しいわね。おかわり。

るんるんどこか外れた鼻歌を歌いながら、自分の家のように白米をよそいに行く姉様は、相変わらず図々しい。

でもこういう人が成功するのかもしれない、と図々しくて自信過剰な二人をちらりと見て思った。

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