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どすけべカメラマンに犯されています!

第4章 先生は、僕の特別です(短編)

びっくりしてしまった。

自分が周りに誤解されると困る、ではなくてオレに何かあったら困る、と言う。

「でも……凄く恥ずかしいところを先生に見られてしまったけど……少しでも距離が縮まったなら嬉しい、と思ってしまう僕もいて……」

「……うん」

こんなに話すヒカリは珍しい。
よっぽど、いろいろと思うところがあるのだろう。

ここは水を差さずに、ゆっくり聞いているのが正しい選択だ。

「あ、えっと……全然まとまらなくて申し訳ないんですけど……こんなにも時間をかけて、僕と向き合ってくれた先生は、僕の特別です。特別なんです……」

やっと顔を上げて、ふにゃりとした柔らかい笑顔を見せてくれる。
最高に、嬉しい言葉と共に。

「そうか……」

争いが嫌いで、何事にも反論することが無く、ただただ人の意見を受け入れるだけの傾向があるヒカリ。
面倒臭くなってしまって、考える事を放棄しがちなところは少し前に見抜いていた。

なのに、こんなにも頭を悩ませてくれた。
オレの為に。

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