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友達のままがいい

第5章 (過去)社会人

それから暫く、花の背中をさすっていたけど完全に酔っ払った花が覚醒することはない。
それどころかトイレの便器を抱きしめながらコクリコクリと始めた。
その姿を見て連れて帰ったほうがいいと判断をして、お店の人にタクシーを呼んでもらった。
先に帰ることを告げようとみんなの元に戻ると、いつの間にか則ちゃんが加わっていた。

「あれ~?則ちゃん、間に合ったんだ」

クスクス笑いながらそういうと、則ちゃんは昔と変わらない笑顔で片手を上げて合図をくれた。

「遅くなって悪かったな。さっきついたばかりだ。それより花は大丈夫なのか?」

「それがね。全然ダメなんだよね。だからタクシー呼んでもらったんだ。会ったばかりで悪いんだけど先に帰るね」

久しぶりに会えて残念だけど、花をひとりにしていて心配だった私はカバンを持って部屋を出た。
花のところに行けば、タクシーがちょうどきたみたいで店員さんに手伝ってもらって花をタクシーに押し込んだ。
そして私も乗り込もうとしたとき、店の中から則ちゃん出てきて私の腕を掴んで引き止められた。

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