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友達のままがいい

第5章 (過去)社会人


「マヨネーズつけて子供みたいだな」

トロンとした目で見つめられて不覚にもキュンッとしてしまった。
それを悟られないようにおしぼりで口をふいて日本酒を飲み始めた。
このドキドキを知られないために自然と口数が多くなる。
きっと則ちゃんにとってはどうでもいいことをぺらぺらとしゃべり続けていたに違いない。
ずっと静かに聞いていた則ちゃん。
時々、寝てるんじゃないかと思うほど静かだった則ちゃんが静かに口を開いた言葉に一瞬時間が止まったかのように呼吸をするのを忘れた。
それだけ衝撃的な言葉で、まさかその一言で私がこれほどまでに動揺するとは思いもしなかった。

「…則…ちゃん?」

「んっ…どうした?文香…」

夢心地の則ちゃんは今にも眠ってしまいそうなか細い声で答えてくれる。

「今の言葉って…」

「今の…?」

「うん…則ちゃん…」

その先を口にするのが怖くてなかなか言えない。
もし、そうだよと言われたらと思うと怖くて聞く事ができなかった。

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