テキストサイズ

友達のままがいい

第5章 (過去)社会人



―――――…


「文香、おめでとう」

「ありがとうございます!!」

今まで来たことのないような高級レストランで緊張気味にシャンパングラスを傾け乾杯をする。
ビールやカクテルは飲んだことあるけど、シャンパンは初めてだった。
だけど嫌いじゃない味で、スッと身体に入って消えて行く。

「相変わらずだね。けど、今日はとことんつきあうから好きなだけ飲んでいいよ」

空いたグラスにシャンパンを注ぎながら康臣さんはにこやかに告げる。
それは前からの約束で、心おきなく飲めるのはうれしい。

「ありがとうございます。酔っぱらったら介抱してくださいね」

「もちろん。そのためのエスコート役だからね」

冗談のつもりで言っても康臣さんは律義に返事をしてくれる。
それがうれしくて注がれたお酒を飲んでは注がれる
美味しい料理と大好きな康臣さんが傍にいれば自然とお酒は進み、大切な誕生日のお祝いというのに早々に酔っぱらってしまった。

「大丈夫?」

「はい!大丈夫で~すj」

外を歩きながら康臣さんは心配そうに寄り添う。
その腕に絡みついて甘えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ