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俊光と菜子のホントの関係

第8章 『かけがえのない兄妹』



 *


 おんなじ顔の二人に話し終わると――


「……うっ……うぅーー……」

「あ……明里っ?」


 ウソ、泣いてるぅーっ!


「菜子ぉ……あんた、何て切ない話をすんのよぉー……。思わず感動しちゃったじゃないよぉー……うぅーー……」

「え、今の話……そんなに感動した?」

「するわよぉー。俊光さんはマジで優しすぎだし、あんたは健気だしで……ほら、晃も泣いてるじゃない」

「えっ!?」


 ほ、ホントだっ! 手で口を押さえて泣いてるぅー!


「オレ……人の話でこんなに泣いたの初めてかもしんねぇ……うっ……うぅーー……。
 菜子ちゃん良かったなぁ、いいお兄さんで……」


 二人とも、泣き方まで一緒だぁ。

 えーと、ティッシュティッシュ……と。


 部屋にあったティッシュの箱を差し出すと、二人で交互に何枚か引っ張りだしてから――

 同時に鼻をぢーんとかんだ。


「スッゴーい! こんなことまで見事にシンクロしてる!」


 もう、スタンディングオベーション!


「だからぁ、面白がんないでってばぁー」

「菜子ちゃーん、オレらオモチャじゃないんだぜー?」

「あはは、ごめんねぇ。でもありがとう。ちゃんと話を聞いてくれて」


 私の思い出話で、こんなに涙してくれるなんて……二人とも大好きだよー。


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