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でも、愛してる

第6章 6

 簡単に頷いたな、と思うかもしれないが、いままでは機会がなかったから、しなかっただけで、わたしだって、セックスへの興味はある。
 清は、わたしの知っている人たちのなかでも、最高ランクに位置するいい人だということと、清をかわいいと思ってしまったので、頷いたのだ。
 頷いて、良かった。
 はじめてのときはすこし緊張したけど、清が優しく上手にリードしてくれたので、痛くはなかった。ちょっと、ピリッとしただけだった。
 はじめてのときは、痛いものだと思っていたので、清の優しさと上手なことがよくわかったし、優しいセックスをしてくれるのが嬉しくて、それからは積極的に、清とセックスをしてきた。
 そして、わたしは、セックスが好きになった。
 わたしが、そう言うと、清は、
 「萌絵ちゃん、
  それは、当たり前だよ。
  多くの人は、
  ほんとに気持ちのいいセックスを、知らないんだ。
  気持ちのいいセックスを知ったら、
  誰でも、セックスが好きになるよ」
 と言う。
 清とのセックスは、ほんとに気持ちがいい。それも、尋常ではない気持ちよさなのだ。泣きだしてしまい、どうかなってしまうんじゃないかと思うほどの、気持ちよさなのだ。
 清が、こんなに気持ちのいいセックスをしてくれるのが、ほんとに嬉しい。
 そして、清は、あの言葉どおり、どんなことでも、まず「萌絵ちゃんは?」と聞き、わたしを第一にしてくれる。これも、ほんとに心地いい。
 わたしの家族や友人たちも、みんないい人たちだけど、「萌絵ちゃんが第一」とはならない。それはそうだろう。家族といっても、違う人格の集団なのだし、友人が、「萌絵ちゃんが第一」とはならない。
 それにくらべて、清は、「萌絵ちゃんが第一」といって、ほんとに、わたしを大切にしてくれる。そう、まるで、お姫さまみたいに。
 わたしを大切にしてくれて、このうえなく気持ちのいいセックスをしてくれる清を、わたしは、どんどん好きになっていった。
 いまでは、清を、愛してる。
 でも、わたしと清の年が、おおきく離れていることで、いろいろ問題がでてくるだろうし、これから先何年、清とセックスできるのかななど、気になることもある。

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