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でも、愛してる

第7章 7

 「だけど、
  そうとう年上なんだって?」
 「うん。
  71才」
 「えーっ、そうなんだ。
  おじいちゃんじゃないの」
 「でも、とっても元気だし、
  すごく、若くみえるの」
 「萌絵を、
  それだけ気持ちよくしてくれるんだもんね」
 「でも、そんなに年がちがったら、
  問題は多いわね」
 「それは、わかっているわ」
 「萌絵は、それでいいの?」
 「うん。
  いまはね。
  わたしも、気になるし、いろいろ考えるけど、
  でも、わたし、彼を愛してるの」
 「そっか。
  愛してるのか」
 「うん。
  彼は、わたしの好きなところが、
  いっぱいあるの」
 「どんなところが好きなの?」
 「あのね、
  わたしがなにか言うと、
  ほんとに的確に応えてくれるの。」
 「ほう」
 「そうなんだ」
 「そのときの、彼の考え方が、わたしの考え方と同じなの」
 「ただ、合わせているというんじゃなくて?」
 「一回や二回ならそう思うかもしれないけど、
  いつもそうなのよ」
 「考え方が合うって、大事だものね」
 「彼が言うことも、わたしに、よく合っているの」
 「そうなんだ」
 「たとえば、
  きょう子どもたちは『やかまし村』だったと、言ったりするの」
 「やかまし村?」
 「リンドグレーンの『やかまし村の子どもたち』
  久美、知っているでしょう?」
 「知っているけど」
 「子どもの本をたとえに使う人って、
  いままでいなかったわ。
  そんなことも、わたしの感性に合っているの」
 「考え方と、感性か」
 「そのほかにも、いっぱいあるわ」
 「それと、あれもか!」
 「そう。
  彼のおかげで、
  セックスが、とっても素敵だというのを、実感したわ」
 「萌絵、
  いい人に、めぐり会えたね」
 「ええ。
  そう思っているわ」

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