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愛は、メロディにのって

第1章 愛は、メロディにのって

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 どのくらいたったでしょうか。
 望さんが、
 「プレゼントの、
  包装紙をとっていい?」
 と言いました。
 「いいですけど、
  もっときれいなプレゼントにしたいので、
  シャワーを浴びたいです」
 「そうか、
  そうだよね。
  私は、あがってるみたいだ」
 「うふふ」
 望さんに先に浴びてもらって、用意してあったガウンを着てもらい、わたしも浴びて一緒にベッドに行きました。
 望さんは、
 「百合さんのことを、
  もっと知りたい」
 と言い、優しく抱いてくれました。
 わたしは、父が和歌山で代々つづいている材木商をしていること、わたしが東京の東邦音楽大学を卒業したこと、東京でピアノ教室を開きたかったが、父が関西でなければ駄目だといったことなどを話しました。
 「それで、
  大阪で」
 「はい」
 「よかった」
 「えっ」
 「そのおかげで、
  私は、百合さんと出会えた」
 「そうですね。
  父に感謝しなきゃ」
 「百合さんは、
  お嬢さまなんだ」
 「そんなことありません。
  ちょっとだけ広く商売をしているだけですから」
 「私は、
  どんな顔をして、お父さんに会えばいいんだろう」
 「うふふ」

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