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次々に運ばれてくる料理をつまみながら俺達は雑談をした。


その流れで俺は最近の悩みをオブラートに包んで伊藤さんに打ち明けた。正直、酒の力のせいだと思う。


すると伊藤さんはものすごく驚いていた。






俺が既婚者で子持ちであることに。





「すみません！私、重井さんのこと独身だと思ってました。」

「いや、いいんですよ。俺が結婚してることとか子供のこと職場であんまり喋ってないですし、結婚指輪もしてないですし」

「どうして結婚指輪つけないんですか？」

「これに関しては俺も妻も指輪がそんなに得意じゃなくて。指に何かついてるのが心地悪いってなって俺は結婚するときにネックレスをプレゼントしたんです。で、妻からは腕時計を貰いました。」


そう言って身につけている腕時計を見せた。



俺は急に寂しくなった。


でもどうせ帰っても妻を抱けないし…


そんなことを思っていると伊藤さんは急に俺の手を握ってきた。

「えっ！？」

「重井さん！そんな寂しそうな顔しないでください！私なら今の重井さんの悩み解決出来るかもしれないです」