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突然の出逢い ( N×M )

第1章 Anemone .






「適当に座って。
コーヒー入れようか。」




「大丈夫だから。
早く何があったか教えて欲しい。」





「そっか...。」






少し間を空けて同じソファーに座る。






「あのね...。」





「 うん。」





「 相葉さんに松本さんの連絡先聞いたあと
電話したんだけどさ...。」




「うん。」



ひたすらうん。と相づちを打つ翔くんの
表情は分からない。






「 松本さん出なくて...。
か、代わりにね違う人が出たんだ...。
それで松本さんの甘える声みたいなのが聞こえてきてっ......。それはどう考えてもっ...」






「 分かった、分かったから
辛かったね。」




溢れる涙が翔くんの肩を濡らす。







「翔くんっ...!
松本さん彼氏いたみたいっ...」




久しぶりに人前で声を上げて泣いた。






ずっと溜めていた感情が溢れ出して
子供みたいにひたすら翔くんに抱きしめられていた。





今はこの温もりが嬉しかった。






「俺ももっと早く来てあげたら良かったね。」




この言葉で止まりかけていた涙がもう1度
溢れてしまった。


.




やっと落ち着き顔を上げると
照れたような顔を見せる翔くん。






「落ち着いた...?」






「 うん、ごめんね。ありがとう。」





「全然大丈夫。
あのさ、1つ聞いていい?」





「うん...。」





「 そのさ松本さんの代わりに出た人の名前分かる?」





「 ...確か松本さんが ” さとし ”って...。 」





「やっぱりそういうことか...。」




何だかすっきりとした表情。





「 どういうこと...?」




何のことか全く分からない俺をおいて、






「 ニノ、松本さんがいるとこに行こう。」





と言った。

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