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突然の出逢い ( N×M )

第3章 lily .




S side




最悪な事態となった数日前。





毎日仕事終わりにくる雅紀とクラブで呑んでいた。




「あんまり二宮さんいないね。」




「 ... あぁ、松本さんに気使ってるんじゃない。」





本当はちゃんと理由がある。





「へぇ~いいなぁ、
ラブラブじゃん。」





「羨ましいんだ、
雅紀、彼女いないっけ?」




「い、いないよ!
俺モテねぇし、それに...好きな人いるから...」




「へぇ~知らなかった。」




知らなかった何て嘘。


雅紀の好きな人ってきっと俺。




分かりやすいんだよなぁ...(笑)



「恋、実るといいね。」





俺ってほんと嫌なやつ。






·





日は経った。




今日はにのの出勤日。



いや、にのじゃないかな...





「おはよう、翔。」





「おはよう、柊。」



俺の呼び方は ” 翔 ”

翔くんと呼ぶ人は目の前にいない。



何か悪いものを見抜く鋭い目と、
キツい香水。それといつものシンプルなリングのネックレス。




「はぁ、だりぃー」





テーブルの上に足をおいて悪い態度。




見た目は全く同じでも
俺がにのと呼ぶ二宮和也とは正反対。






柊という人格が現れたのは

10年前。






あることがきっかけだった。

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