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突然の出逢い ( N×M )

第3章 lily .





本人格といえる...


いや、そう思いたい

松本さんと付き合っている和也の過去。



それと比例するであろう 柊 の過去。





にのと俺は昔からの仲で家も近かった。


にのの家は複雑で母親は1度離婚をしていて
初めの父親の間に出来た にの。

離婚後新しい父親の間に男の子が出来たらしいけど一緒に住んでいなかった。


その男の子の行方は知らなくて、
にのは家族なのに何で一緒に住んでないんだ
と父親に迫ったところ暴力を振るわれ、助けを求めてきたことは良く覚えている。



父親の暴 力はエスカレートして、

いつも穏やかにのから笑顔が奪われた。


そして、俺の親が仕事でにのの家に泊まらなければならなくなったある日
にのはリビングで寝ている父親を指さして



「あいつは俺に
” お前が俺の子だったら... ”
って言ったんだよ…」




と独り言のように言ったのを俺は聞き逃さなかった。



異様な眼差し、どこか暗いオーラを放ち

急にふっと意識を失ったにのが目を覚ました第一声は、


「お前...誰?」


だった。


俺は俺で飲み込むのが早いのもおかしいけど


「俺は櫻井 翔 。君は?」



「......しゅう...」


「しゅう...か。よろしくね、」


奇妙な会話。


これがたびたび意識を失い現れる ” 柊 ”
の始まり。


柊の人格は自分で勝手に精神的なものによって起こるものだと解釈し、誰にも言わず隠していた。



今も 柊は現れる。


父親は死んだのにも関わらず。







にのは本当は一体誰なんだろうか。





松本さん...あなたが最後の望みです




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