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突然の出逢い ( N×M )

第3章 lily .



O side


「お邪魔します…」



同じ職場のとき以来の翔くんの家。



「ラベンダーの香り...
まだ使ってるんだね、」



「うん、智くんがくれたやつだよ。
ずっと使ってる」




嬉しそうに話す姿。



「適当に座って?すぐ作るから。」



「うん、ありがとう。」




静かなのも嫌だから勝手にテレビをつけて
ぼーっと画面を睨んでた。



潤のことを考えながら。




「智くん、出来たよ。」



振り返るとテーブルにはカレーとサラダが並べられていた。



「美味そう...」



「ふふっ、美味そうじゃなくて美味いから(笑)どうぞ食べて?」



「いただきます。」




「...どう?ちょっと辛いかな?」




「ううん、美味いよ。」



「良かったぁ、おかわりもあるからね!」



「翔くん...」



「ん?」


「何か色々ごめんね?ご飯とか...
またお礼に何か」


「全然大丈夫だよ。そういう仲でしょ?
お礼なんていいのに。」



「うん......」


俺はこのとき迷っていた。



潤のことを話すべきかを



翔くんの優しさに甘えたくなったのも事実。


話せば楽になると思った。



もしかしたら翔くんは俺を応援してくれるかもしれない...なんてね。




でもそんな隙はなかった。



こんな雨だから泊まって行きなとパジャマやら準備して貰って




寝室にも誘導された。



翔くんって呼ぶと いいから
って。


違うんだよ…






何かいてもたっても居られなくて

深夜翔くんの家を後にし、自宅に戻った。


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