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突然の出逢い ( N×M )

第4章  chamomile .





5年前 高校生のとき



俺はちょっとした自転車事故を起こした。



自分でフェンスに突っ込んだだけだけど



負った傷は酷かった。


言うならば顔は血だらけ。




手についた血でそれは確認出来たけど
家はすぐそこ。誰かに見つかる前に帰ろうと倒れた自転車をおこしているとき後ろから



大丈夫!?

と言う声が聞こえた。



おそらく俺と同じくらいの高校生。


救急車なんて呼ばれちゃ困るから



大丈夫です。

とひとこと言って去ろうと思ったのに、



俺んち近くだから傷見てあげる!

と無理矢理家に上がりこまされて
慣れた手つき消毒などをこなしていく。



不意にもその手つきに見とれてしまった。


近くにある顔もよく見ればイケメンだし、


手が綺麗で触れられるたびドキドキする。



そんな事を思っているうち治療が終わったみたいで

そこからどうやって家に帰ったのかよく覚えてない。


ただただ



夢を見ている気分だった。

淡い恋心を抱いているような。




恋だと確信したのは後の頃で、



5年後 伝えることが出来た。



あの時助けてくれた潤くんに。


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