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突然の出逢い ( N×M )

第4章  chamomile .


M side





「...覚えてない...」




「だろうね。
こういうのってお世話になった方が覚えてるもんだから無理はないよ」




「そのときから俺のこと弟って?」



「完全にじゃないけど何か見覚えあるなって。
母さんに聞いたら
あなたにはもう話しておくって言って
そこに住んでた潤くんのこと全て聞いた。

驚かなかったよ、離ればなれになる前の小さい頃の何となくの記憶があったから。」




「そうなんだ...」




「それから何度か潤くんの家に行ってみたり
したんだけど会うことは出来なかった。

やっと会えたのは5年後のあのクラブ。」





「あのとき...」




「家にいたときは素直にびっくりしたけど

ごめんね?俺のほうが全部知ってたのに隠してた。」





「ううん、教えてくれてありがとう。」





周りはほぼ客がいない
店員から死角になるこの席。




かずくんがぎゅっと抱きついてきた。






「 潤くん、俺たち兄弟だよ。
これから...どうする?」





何でそんな寂しそうに呟くの?





「どうするって いつも通りだよ。
俺はかずくんが好きだ。 全部受けとめる。櫻井さんからも色々聞いたから。」






「えっ、翔くんから何を聞いたの?」





「 かずくんの...二重人格のこと。」


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