
突然の出逢い ( N×M )
第5章 Statice .
柊 side
『もういい、止めろ。』
「あ、うん...」
久しぶりに泣いた。
感情がぐちゃぐちゃのまま話してしまった。
本音を言ってしまった。
くっそ、コイツの前でキャラじゃねぇ。
涙、とまれ。とまれ。とまれ
『っ...!』
「辛かったんだね。泣いてもいいんだよ。泣かないと笑えなくなるから」
甘い、表現できない優しい匂い。
『あぁ、ムカつく!
ムカつくのに離れられない...』
「ふふっ、じゃあ大人しくしばらくこのままでね。」
ぷつっと何かが切れ、声をあげて泣いた。
声も涙も枯れるまで 潤の腕のなかで。
子供みたいに泣き疲れて眠るのも何年ぶりだろう。
