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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

幸いにも天候はジャックの味方をした。

この豪雨の中、背後の人間を
殺されことなんて気づくだろうか。


当然、あいつらだって殺しのプロ。

抜かりはないはず。

だけど、相手が透明なら?


そう、俺は透明。
今、俺は透明なのだ。

「………ふぐ…っ」

後方の男が前を向いた瞬間
口を覆い、腰に携えてあるナイフを
素早く抜き取る。


人を殺すことへの、恐れはなかった。


グシュ…………


鮮血のしぶきが弧を描くように
飛び散っていく。


男の首には銀色の刃。


グプッ…グプッ…




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