
ふぃくしょんエッチ
第3章 トウメイニンゲン
………どうしてだろうか。
それは、自分にも分からない。
気づいたら体が勝手に動いていた。
ははは……何だよそれ。
暗闇の中、男の子の泣き声が
隣から聞こえる。
あぁ…良かった…
助かったんだな…
安心したらスー…と血の気が引いて。
あれ…
アンナ…がいる…?
ジェーンも…?
『ア、アンナ…』
そっと手を伸ばすと
それに答えるように握り返してくる。
突然視界が広がった。
コンクリートに花が咲いて
あっという間に花畑になった。
太陽が燦々と輝いていて…
奥に
アンナとジェーンが見えた。
幸せそうに笑う2人。
ジェーンがこちらに手を振っている。
パパー!!って。
風が背中を押した気がした。
アンナ…ジェーン………
今……行くよ…………
