オオカミは淫らな仔羊に欲情する
第26章 浮かれてる場合じゃないっ!!
「レースか」
舌打ちの音こそなかったが、
舌打ちするような顔をしていた。
―― レース、お嫌いですか?
彼の手が今度は、スカートに向かった。
―― これはヤバイ!
「ちょ、それは……だめ!」
私は彼の腕を掴んだが「大丈夫、ヤらないから」
と言って、スカートを捲った!
薄いグレーのストッキングに押しつぶされて、
無様に歪んだグンゼの白パンがそこにあった
……はずだ。しかもパンダ柄。
―― 私の恋、終わった。
しばし2人とも固まっていたが、彼が沈黙を破った
「ピンクのレースにパンダ柄の白パン!」
彼が犬に戻って天真爛漫に笑っている。
私は無言で起き上がり、スカートを直し、
ニットとスリップを下げた。
「じゃ、私帰る……」
無表情でそう言うと彼に腕を掴まれた。
「ごめん、馬鹿にしてるんじゃない。
安心しているんだ」
本当に、この人の言葉、意味がわからない。
彼はほっとした顔で微笑んでいた。
「今日も勝負下着だったらどうしようかと
思ってたから」
私は口をあんぐりとさせてしまった。
開いた口が塞がらないとは正にこの事だ。
「え? 確かめるって……そういうコト?」
彼は当然という顔をしていた。