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my destiny

第5章 風の中のキャンドル

【智side】

あの時…。

ライブ直前に記事が出て…。

もう、たくさんだと思った。

いらないと思った。

もう、これ以上、一秒も生きていたくないと思った。





汚い。





汚い。





こんなところ、もう嫌だ、って。

この世界に絶望した。





迷惑をかけた分、償うのが先だったんだ。

悲しませてしまった分、取り戻すのが先だった。

やっと、落ち着いてきて。

蓋をしてきた自分の気持ちが、ようやく浮き上がって来たんだろうな。

もう、無視出来ない。

無かったことには出来ないよ。

オイラに生きてく理由が、あるだろうか。

翔君の他に…。





ああ、駄目だ。
さっきから、涙が勝手に出て来て、止まらない。

翔君に、また心配させてしまう。

オイラの内面のことなんだから、自分で整理しないと。

自分で決めないといけない。

今、この世を去ったとしたら、どうなる?

グループは大丈夫だ。

もう、みんな大人だし、オイラは元々名ばかりのリーダーだし。

翔君は…。

翔君は、まだ、いくらでも新しい相手を見つけられる。





俺じゃなくても…。





翔君…、俺、どうしたらいい?









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