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my destiny

第5章 風の中のキャンドル

【智side】

「びっくりしたぁ~
おかえり」


笑いかけると、翔君も笑顔で、短い キ ス をくれた。

そっか、夜風がひんやりして気持ち良かったから、窓を開けたままにしてた。

それで、翔君が帰って来たのに気づかなかったんだな。


「寒くないの?」

「ん?うん」


抱きしめられて、腕の中で返事をする。

朝晩、翔君が仕事に行く時と帰って来た時に、ちょっとだけハグしたりしてたけど。

温もりを感じるのは久しぶりの気がする。

缶ビールを持ったままの手を翔君の背中に回した。

大丈夫、部屋の明かりは消してある。

外からは見えない。


「今日は何してたの?」

「ふふっ、知ってるくせに
相葉ちゃんと雑誌の撮影」


頭を撫でてくれる手が気持ちいい。

髪にも キ ス が落ちてくる。


「犬がフワフワで可愛かったよ」

「フワフワの犬か~、いいな~」

「ニットの衣装がモコモコで」

「モコモコか~」


翔君の腕に力がこもる。

胸に押し付けられて、オイラの声もムグムグとこもる。


「ラグの毛足がフカフカだった」

「フカフカ~」

「ふふっ、真似すんなよ」


体を離した翔君が、オイラの手から缶ビールを取り上げて、大して残ってもいない中身を飲み干す。


「シャワー浴びて来るから、
起きて待っててもらってもいい?」

「…うん」



おいらの、いちばん、すきなひと。



おいらのことを、いちばんすきだ、って、いうひと。











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