my destiny
第5章 風の中のキャンドル
【智side】
朝の気配が漂ってくると、不思議にホッとして目を閉じることが出来た。
翔君が起きる前に、布団に入る。
冷えてしまった肩で驚かせないように、少し体を離して眠った。
仕事場に行ってしまえば、冗談にも笑えたし、普通にやれてると思う。
もう、疲れたな、って思ってる自分に気づいても、どうしていいかわからない。
正直、今回は、ちょっと、もう無理かな、と思うけど。
やり過ごすしかない。
今までだって、そうして、やって来たんだから。
睡眠のサイクルがおかしくなっていることで翔君に心配をかけるのが嫌だった。
翔君が忙しいのを良いことに、あまり会話もしないまま、すれ違いの生活だったんだけど。
それでも、顔が見たくて。
やっぱり、少しでも話したいから、今夜は翔君が帰るまでベランダに出て待つことにした。
部屋の明かりを消して、外気に身を晒すと、乾いた空気が冷たくて気持ち良かった。
秋の月が冴え冴えと美しい。
缶ビールを飲みながら、流れるテイルライトの赤い列を上から眺めてる。
あのライトの一つ一つに、人が乗ってる。
ライブのペンライトみたい。
見ていて全然飽きない。
「…ただいま」
「わっ!」
ビクッとして振り向くと、翔君が、オイラの真後ろに立って笑ってた。
朝の気配が漂ってくると、不思議にホッとして目を閉じることが出来た。
翔君が起きる前に、布団に入る。
冷えてしまった肩で驚かせないように、少し体を離して眠った。
仕事場に行ってしまえば、冗談にも笑えたし、普通にやれてると思う。
もう、疲れたな、って思ってる自分に気づいても、どうしていいかわからない。
正直、今回は、ちょっと、もう無理かな、と思うけど。
やり過ごすしかない。
今までだって、そうして、やって来たんだから。
睡眠のサイクルがおかしくなっていることで翔君に心配をかけるのが嫌だった。
翔君が忙しいのを良いことに、あまり会話もしないまま、すれ違いの生活だったんだけど。
それでも、顔が見たくて。
やっぱり、少しでも話したいから、今夜は翔君が帰るまでベランダに出て待つことにした。
部屋の明かりを消して、外気に身を晒すと、乾いた空気が冷たくて気持ち良かった。
秋の月が冴え冴えと美しい。
缶ビールを飲みながら、流れるテイルライトの赤い列を上から眺めてる。
あのライトの一つ一つに、人が乗ってる。
ライブのペンライトみたい。
見ていて全然飽きない。
「…ただいま」
「わっ!」
ビクッとして振り向くと、翔君が、オイラの真後ろに立って笑ってた。