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my destiny

第7章 花

【翔side】

スマホのアラームが鳴る前に目が覚めた。
最近は、プロモーションで朝の番組に出させていただくことが多いから、早起きが癖になっているのだろう。

首だけ動かして横を見ると、智君の柔らかい髪が頬に触れた。
俺の腕を抱くようにして眠ってる(ちなみに俺の寝相が悪いから、普段、腕枕は殆どしない)。

体を伸ばして寝ている姿を見るのは、久しぶりな気がした。

起こさないように、そっと腕を抜いて、ベッドを出る。
智君は熟睡しているようで、額に口づけても全く身動ぎしなかった。

これなら気づかれないかな。

頭の中で動線をシュミレーションしながら、昨夜脱ぎ捨てたままの下着とTシャツを拾って浴室へ向う。
バスタオルは夜に使ったやつが洗面所にあるから、それでいいや。

もう、すっかり秋で、朝は随分と冷えるようになった。
あちらに行く際の上着はどうしようか。

いや、まずはシャワーを浴びて、鍋だ。



うーん。



うーん…。



取り敢えず鍋にお湯を沸かす。
そもそも2人分の卵スープを作るのに、鍋にどのくらい水を入れたらいいのか、からして見当がつかない。

一瞬固まったが、食べる時に使う器で計ればいいじゃん、と思いつき、うどんを食べる時のどんぶりでキッチリ2杯分の水を計って火にかける。
沸騰するまでの間に冷蔵庫を物色。

っていうか、沸騰って鍋の底に泡が出てきたら沸騰?
それともボコボコ言い出したら沸騰?
100度で蒸発するってことは、湯気が出たら沸騰なのか?
今度ネットで調べてみよう。

良かった、卵はある。
あとは、納豆、豆腐、魚の切り身、何かの肉…、これは使わない。
ベーコン、ハム…、なんだこれ、焼き豚?

ヨーグルト、は勝手に使うと怒られるかもしれないし、普通スープにヨーグルトって入れないだろ。
牛乳入れるならアリか?
いや待て、せっかく計って水を入れたのに牛乳なんか入れたら分量が狂うだろう、多分。
前にそれで失敗したことがある。

野菜は切れないから最初から見ない。
まな板と包丁を使うつもりはそもそもナイ。

冷凍庫にミックスなんとか、があった筈。
お、あるある。
これ、そのまま鍋に入れていいんだよな?

あ、餃子もあるじゃん。
朝から餃子…は、食いたい気もするけど…どうしよう。
あ、米を炊かないといけないから駄目だ。
餃子は米で食いたい。






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