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my destiny

第9章 Scar

【智side】

「だがなぁ…」

神様が言いよどむ。
話を続けにくいみたいで、手を後ろに組むとメダカの水槽の方へ歩いて行って、ながめ始めた。

「何?なんかおかしい?ダメなの?」

オイラはちょっと焦ってくる。
この二人はオイラの味方だって思ってるから。

味方って言うか、それが役目なんだって前に言ってた。
だから、オイラにとって悪いことは言わないはずなんだ。

なんか、まずいのかな。





「駄目じゃないとも
ただ、彼がそう言ったから、
というだけでは少し足りないね」

「どういうこと?」

「君は今まで真っ暗なところに居た
そこに彼が明かりを灯してくれたわけだ
これまで居たところが真っ暗だったから
君にとってはとても眩しい明るい光に感じるだろうね」

「うん。違うの?」

水槽を見てた神様はゆっくりこっちを向く。

「君を照らすのは、本来君自身から生まれる光だよ
君が自分で明かりを灯さなくてはならない
誰かに乗っかっていては、
その明かりが消えた時に、また真っ暗になる
自分の中から生まれる強い望みでなければ、
やっぱり駄目なんだって、諦めるからね」

神様はゆっくりと歩いてくると、オイラの真っ正面に立った。
まるでオイラがなんて答えるか、見きわめようとしてるみたいに、眼光が一瞬鋭くなる。

ブラブラさせてた足が止まった。




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