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my destiny

第11章 宮城へ

【翔side】


「少しでも眠ったら?」

「大丈夫だよ
せっかく二人で出掛けるんだから
寝たらもったいないじゃん」


ふふっ、と笑って、智君は俺の顔を横目に見た。

細められた目が可愛くて、俺も笑い返しながら、繋いでる手をギュッと握った。

疲れて見えるけど、大丈夫かな…。


「歌入れも終わったし
どんな風になるかなぁ
ね、翔君はどれが一番好き?」

「うーん、そうだなぁ
俺はね、ほら、あの…」


車内が空いているとは言っても、誰が聴いているかわからないし、用心の為にどうしても小声で話すことになる。

聞き取れなかったみたいで、智君が、ん?って首をこっちに傾けた。

耳元でコソコソと話すと、また嬉しそうに笑った。


「くすぐったい、って」


言って肩を持ち上げる。
わざと耳に唇が付きそうなくらい近づいて、またコソコソ話を続ける。


「だからさ、あの曲の……のところあるじゃん」

「ひゃっ、やめろってぇ」


二人で声を殺して笑いあっているうちに、大宮を過ぎたところで、智君のスマホにメールが入った。


「えっ!!」

メール画面を開いた智君が、顔色を変える。

「どした?」


智君の肩に頭を寄せて、スマホ画面を覗き込むと、送信者に「ボンちゃん」とあった。

『智、今こっちに向かってるよね?
ごめん、カミさんの陣痛が始まっちゃって
いつ分娩室に行くかわかんない(;^ω^)
俺も立会するから、来てもらっても多分会えないと思う』

俺と智君は、思わず顔を見合わせた。





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