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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第3章 二人、外では…

「…家に、帰ったらな」

素っ気無く言って、オレは光雅の向かいの席に座り直した。

「そうだな。家の中での方が、良いよな」

光雅はすぐにいつも通りになり、昼食を再開した。

…この変わり身の早さは何なんだろう?

こっちは熱くなる顔を隠すのに必死なのに…。

オレも食事を再開するも、さっき味わった光雅の舌の感触が残っていて、せっかくの美味い弁当の味がよく分からなかった。

おかげで食べた気になれず、気疲れだけが増えた。

午後の授業が移動なくて良かった…。

ちょっと腰がおかしくなっていたから、下手に歩いたり動いたりはしたくなかった。

でも放課後になると、気分はもっと重くなる。

「アレ? ヤス、帰らないのか?」

「生徒会室に寄るのか?」

「あ~、どっちも違う。光雅にここで待っているように言われたんだ」

「そっか。じゃあな」

「また明日」

賢いクラスメート達は深く尋ねず、そのまま教室を出て行った。

…実際、賢いよな。

下手にオレ達のことに関わらない方が身の為だって、言わずとも分かっているんだから。

教室から全員が出て行って二十分後に、光雅は来た。

「ゴメン、待たせた」

「いんや、大丈夫」

携帯電話でゲームをして時間を潰していた。

「それじゃ行こうか」

「ああ」

カバンを持って立ち上がるも、心の中の不安は大きくなるばかり。

両親の新しい店は、駅前に出来ていた。

白い外壁と、派手な看板はすでに見慣れた会社のロゴ入り。

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