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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第5章 お風呂の中の二人

「ふふっ、くすぐったいよ」

その声が妙に嬉しそうだったんで、オレは続けて他の指もガブガブと噛んでいった。

軽く噛んでいるだけなので、痕は残らない。

五本全部の指を噛んだところで、口から出した。

「―じゃあ今度はボクの番だ」

「えっ?」

予想外の言葉に眼を丸くしていると、今度は光雅の人差し指と中指が口の中に入ってきた。

「うぐっ!」

「噛んじゃダメだよ」

二本の指の腹が、オレの舌をスーっと撫でる。

「んんっ。こぅっが、やめっ」

「大丈夫。奥まで入れないから」

そう言って指を動かし、オレの口の中を撫でていく。

舌の表と裏、そして歯茎に上顎まで丹念に優しく撫で上げていく。

「ふっ…んん、はぁ…」

甘い吐息が出るのを抑えきれない。

後ろにいる光雅を何とかして離そうとするが、体格からして負けているので不可能だった。

光雅の指が触れている部分から、甘い痺れが広がる。

それは口の中だけではなく、頭の中にまで侵食してきた。

その反応は下半身にまで及んでしまう。

「アレ? 感じてるの?」

透明な湯船には、全てが丸見えだった。

反応し始めたオレの下半身を見て、熱っぽい視線を送ってくる。

「綾から誘ってくれるなんて嬉しいなぁ。ご褒美にいっぱい可愛がってあげるよ」

誘うって…さっきの指を噛んだことか!

イタズラ心が物の見事にアダになって返ってきた…。

呆然としている間に、薬指まで増やされた。

「あふぅ…んっ」

「しゃぶってよ、綾」

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