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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第1章 オレとアイツの日常 /学校生活

リビングではエプロン姿の光雅がいる。

…すでに見慣れている光景なのが、何となくイヤだ。

「どっかおかしいところがないかの点検」

「うん…。髪がまだ濡れているな」

「そのうち乾くって」

「風邪引くぞ」

「大丈夫だって」

オレが滅多に風邪を引かないこと、知っているクセに…。

心配そうに髪を撫でてほしくない。

「それより朝飯、食おうぜ」

「ああ、そうだな。飲み物は何がいい?」

「コーヒー」

「分かった」

オレはすでに朝食の準備が整ったテーブルを見て、思わず深く息を吐いてしまう。

コンソメスープに、さまざまな種類のサンドイッチ、それにフルーツサラダまで…どこぞの高級ホテルの朝食を思い起こさせるような料理だ。

しかも見た目だけではなく、味まで近いかそれ以上なのがある意味恐ろしい。

「ホラ、熱いから冷まして飲むんだぞ」

「はいはい」

目の前に置かれた真っ白なコーヒーカップには、香ばしいコーヒーが注がれ、白いミルクが渦を巻いていた。

オレが何も言わなくても、好みの量のミルクを入れてくれる。

まあ付き合いが十年にもなると自然と覚えるんだろうけど、オレは光雅の好みなんざいちいち覚えてはいない。

光雅はオレの向かいのイスに座り、手を合わせて頭を下げる。

「それじゃあ、いただきます」

「いただきます」

オレも光雅に倣う。

毎朝のことだった。

光雅は躾に厳しい。

自分にも厳しい人だけど、オレへの場合は教育もあるからだろう。

「味はどうかな?」

「んっ、んまいよ」

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