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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第1章 オレとアイツの日常 /学校生活

鶏肉や野菜やハムなど、盛り沢山の具が入ったサンドイッチは本当に美味い。

パンまで手作りなのは、素直に感心する。

「けどさぁ、毎日言っている気がするけど、本当にもう良いんだぜ? オレだって高校二年だし、メシぐらい一人で何とかなるし、学校だってサボらず行くし」

「そこに『ちゃんと』という言葉が付けば、ボクも安心して一人で行動させるんだけどね」

涼しい顔で毒を吐きやがった。

確かにオレは多少なりと、ズボラなところがある。

そこは自覚していたが、そんなの今時の男子高校生ならあって当たり前だとも思うんだが…。

「…光雅だって、自分の時間が必要だろう?」

「今こうして綾と一緒にいる以外に、必要な時間なんてないよ」

ううっ…! 

反撃に困る攻撃…いや口撃をされてしまった。

「そうだ。今日は帰りに買い物するから、教室で待っててくれ」

「買い物ぐらい、友達と行けよ! 何でいっつもオレが付き合わなきゃいけないんだよ!」

「綾以外の人間とじゃ、つまらないから」

「ぐはっ!」

テーブルの上に倒れ込んだオレを、光雅は楽しそうに見つめている。

「…と言うのは半分本音で」

「半分もかっ!」

「もう半分はお前の為だよ。買い物の内容は服のことだから」

「服ぅ~?」

「綾は服装に興味ないだろう? 着る物があまり高校生らしくない」

「悪かったなぁ!」

どうせオレのズボラな性格は服装にも現われてるわっ!

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