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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第6章 妥協する愛?

「はぁあ~」

「何だ何だ。ヤス、今日は一段と深いため息だなぁ」

「ため息は幸せが逃げるんだぞぉ」

「もう幸せがどういうものか、忘れちまったよ」

いつも通りの教室で、いつものクラスメート達が話しかけてくる。

そこでふと、光雅との昨夜の会話を思い出した。

あの留年してどうとかというヤツ…。

「なぁ、もし光雅みたいなのが同級生としていたらどうよ?」

ふと疑問に思って、言ってみた。

するとクラスメート達は何とも言えないような、複雑な表情をする。

「どうってなぁ…。毎日、天国と地獄を味わうようなもんだろう?」

「良いような悪いような…。今の距離感が一番良いと思うぜ?」

近過ぎず、遠過ぎず。

当たり障りのないところから眺めるのが一番良いんだろうな。

真宮光雅という存在は、その方が人畜無害だ。

オレみたいに長く・深く関わると、ロクな眼に合わないからな。

「そういやぁ、ヤス。お前、生徒会会長になるのかよ?」

「何でだよ? オレは書記になったのだって、奇跡みたいなモンだぞ? あるいは光雅の権力によって、だな」

「奇跡や真宮会長の権力だけではなれねーっつぅの。お前、結構優秀なんだぞ? なろうと思ったら、会長にだってなれる」

「ゴメンだね。前例が優秀過ぎる跡継ぎなんて、遠慮するわ」

オレの言葉に同意するように、二人は苦笑した。

しかし光雅の後釜になろうとする人間はほとんどいない。

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