甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~
第2章 二人の関係
「まあ目立つからな、あの人」
街を歩けば誰もが振り向く美貌の持ち主。
白くスベスベした肌に、長い手足。
それに高い身長に、整った顔立ち。
髪の毛だってサラサラで、そんじょそこらの女子が勝てる見込みはないほど。
カッコイイというより、キレイな顔立ちをしている。
十年前はそれこそ女の子みたいに可愛かったが、今は綺麗に昇格したな。
それでも武道をやっているので、精神もケンカも強い。
その他、何をやってもプロ並みというのは恐れ入る。
…おかげでオレはこの十年、日陰の人生をまっしぐらに生きているワケで、そろそろもう自暴自棄もイイところとなってきている。
「まあそれも高校にいるうちだけだろう? 高等部卒業したら、どうするつもりなんだろうな?」
「ヤス、何か聞いているか?」
「さぁな。一年以上後のことなんて、考えていないと思うけど?」
「まあ会長だったら、どこにでも行けるし、何にでもなれるだろうな」
「そうだな。心配するだけ損かも」
そう言いつつも、クラスメート達の会話は光雅のことばかり。
オレはすでにクセになっているため息を、また吐いてしまった。
やがて担任が来て、ホームルーム開始。
そして授業もはじまる。
耳では授業を受けながら、思考は光雅のことに集中していた。
光雅との出会いは十年前。
両親がアパレル関係で働いていたのだが、十年前、めでたく自立することが決まった。
そしてあのマンションへ引っ越してきた。
仕事が軌道に乗ったおかげで、安アパートから高級マンションへ引っ越してこれたんだが、それを喜んだのも一ヶ月だけだった。
街を歩けば誰もが振り向く美貌の持ち主。
白くスベスベした肌に、長い手足。
それに高い身長に、整った顔立ち。
髪の毛だってサラサラで、そんじょそこらの女子が勝てる見込みはないほど。
カッコイイというより、キレイな顔立ちをしている。
十年前はそれこそ女の子みたいに可愛かったが、今は綺麗に昇格したな。
それでも武道をやっているので、精神もケンカも強い。
その他、何をやってもプロ並みというのは恐れ入る。
…おかげでオレはこの十年、日陰の人生をまっしぐらに生きているワケで、そろそろもう自暴自棄もイイところとなってきている。
「まあそれも高校にいるうちだけだろう? 高等部卒業したら、どうするつもりなんだろうな?」
「ヤス、何か聞いているか?」
「さぁな。一年以上後のことなんて、考えていないと思うけど?」
「まあ会長だったら、どこにでも行けるし、何にでもなれるだろうな」
「そうだな。心配するだけ損かも」
そう言いつつも、クラスメート達の会話は光雅のことばかり。
オレはすでにクセになっているため息を、また吐いてしまった。
やがて担任が来て、ホームルーム開始。
そして授業もはじまる。
耳では授業を受けながら、思考は光雅のことに集中していた。
光雅との出会いは十年前。
両親がアパレル関係で働いていたのだが、十年前、めでたく自立することが決まった。
そしてあのマンションへ引っ越してきた。
仕事が軌道に乗ったおかげで、安アパートから高級マンションへ引っ越してこれたんだが、それを喜んだのも一ヶ月だけだった。