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甘い鎖 ~アイツの愛という名の鎖に、縛られ続けたオレは……~

第2章 二人の関係

隣の部屋に住む真宮光雅は、当時からカリスマ性を発揮していた。

ウチの両親に面倒を見てくれと頼まれた光雅は、本当に世話をしてくれた。

…実の両親以上に。

おかげで今では部屋の合鍵も渡し、空き部屋には光雅専用の部屋まであるぐらいだ。

オレの両親は光雅の才能を褒めた。

そして愛してもいた。

しっかりした性格だから、オレのことを安心して預けていられると言っていたが…本当は光雅のような子供が欲しかったのではないかと、何度も夜中一人で思っては、声を押し殺して泣いた。

オレが何をしても褒めてはくれず、それどころか光雅と比べては、アイツのことを褒めちぎっていた。

それはウチの外でも同じで、学校でも近所でも光雅は褒められて、愛される存在だった。

オレが小学一年にして、悟ってしまったのは言うまでもないこと。

両親どころか友達や、初恋の女の子まで関心は光雅に向かう。

落ち込む時がほとんどだが、僅かに開放される時もある。

一つの歳の差がこういう時、とてもありがたかった。

一学年違うだけで、随分助けられた。

きっと同級生だったら…耐えられなかった。

あんな出来たヤツが幼馴染だったら、オレはとうに逃げ出しただろう。

オレだって頑張ってきた。

器用じゃない分、努力でカバーしてきた。

けれど…それでも天才には敵わない。

成績のことに関してはもちろんのこと、発言力ですら負けていた。

この学院に入ることになったのも、光雅がオレの両親に勧めたからだ。

オレは小学校で光雅にウンザリしていたから、別の公立中学校が良かった。

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