
CHOCO❤︎LAVE
第5章 トシオさん
それから、30分ほどしゃべって…
ようやく緊張が少しずつ解れてきた。
聖輝「このチヂミ、すごく美味しいですね。」
大野「でしょ?俺もこれが好きで通ってるようなもんだよ。」
聖輝「確か、お友達が経営されてるお店なんですよね?」
大野「うん、学生時代の友達がお店やるからって…」
聖輝「いいですね、自分のお店を持つって…」
大野「うん、夢があるよね。」
聖輝「はい。」
大野さんはテレビで見るイメージとは全然違っていた。
テレビではクールで物静かな印象があったけど…
今目の前にいる大野さんはクールだけどすごい大人で僕をリードしてくれている…
どうやらジェントルマンってイメージは当たっていた。
大野「涼野くんは夢ってある?」
聖輝「夢ですか…うーん…今のところぱっと思いつかないですね…」
大野「そっか。」
聖輝「あの…大野さんは…夢ありますか?」
大野「夢かぁ…そうだなぁ…」
有名人となると、きっと想像以上に大きい夢を持っているんだろう…
大野「どこかの島でのんびり釣りライフを楽しむことかな。」
聖輝「へっ?」
釣りライフ?
大野「ふふっ、小さい夢だなって思った?」
聖輝「あっいや…」
あまりにも普通すぎて驚いてしまった。
大野「ジャニーズに入って、デビューして、いろんな仕事をして、個展も開いて…結構満たされちゃったんだよね。」
大野「だから、海の綺麗なところで釣りライフを楽しみたいっていうのが今の夢。」
聖輝「そうなんですね…」
芸能人だからもっと上を目指すのかと思ったけど…
むしろ一般的な生活に憧れを抱いているなんて…
意外だった。
大野「涼野くんは今大学生でしょ?これから先いろんなこと経験すると思うから…きっと見つかるよ、自分の夢が。」
聖輝「自分の夢…」
大野「うん、絶対に見つかる。」
聖輝「…はい、見つけてみせます。」
大野「ふふっ、見つけた時は教えてね。」
聖輝「はい!」
