テキストサイズ

でも、愛してる 「改訂版」

第1章 でも、愛してる 「改訂版」

         12

 清の「セックス論」を聞いたとき、面白いと思った。
 人類が、子どもを産むためのものであったセックスから、楽しむためのセックスを発見してからずっと、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものだった、と言うのだ。
 その証拠に、女性には、快感を得るためだけに存在する、クリトリスがあると言う。
 それなのに、いま多くの人がしているセックスは、男性が射精するのが目的となっているみたいで、間違っていると言うのだ。
 だけどそれは、階級がうまれ男性優位の社会になってからの、たかだか数千年くらいのもので、人類の二十万年という歴史からみたら、ほんとに短いので、いずれ、セックスは、女性が気持ちよくなるためのものに帰っていく、と言うのだ。
 そして、セックスは、したいと思ったときにすればいいのであって、いろいろな理由をつけて、我慢してしまういまのセックス観は、間違っていると言うのだ。
 「食欲と睡眠欲と性欲を、三大欲望というでしょう。
  食べるのを、我慢するのはつらいし、
  食べないわけにはいきません。
  食べないと死にます。
  眠るのも、我慢できません。
  眠れないとき、薬を飲んででも眠ろうとします。
  セックスも、我慢するのはつらいものです。
  セックスを、我慢しつづけると、
  鬱病になるといわれています。
  セックスは、我慢しては駄目なんです」
 はじめて聞く「理論」だけど、納得はできた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ