たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第9章 杉並実果留・特別編
「お前なぁー、セックスしてる時にまでバシバシ叩いてくるって……何? Sっ気でもあるわけ?」
「ないわよっ! 武が要所要所で変なことばっかり言うからでしょっ!」
「……ぷははっ!」
「え、何?」
私怒って言ったのに急に笑いだしたし。
「あー、なんか俺達って、ずっと甘い雰囲気に浸りきれねぇよなー。俺もすぐにフザけちまうし、実果留も容赦なくツッコミを入れるしで。
けど……考えたら、この方が俺達らしいよな?」
「あ……うん。そうかも……ふふっ」
私達らしい……それがやけに嬉しくて、くすぐったくて。
きわどい行為をしていたのに、二人して少しだけ忘れて笑い合った。
……ムカつくとこもあるけど、
それでもやっぱり、武が好きなんだなぁ……って、改めて思う。