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たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―

第2章 佐倉武



 みんなの前に立つと、


「すげー! ○○にそっくりだー!」

「っ!」


 ビックリしたぁー……みんなから急に叫ばれたぞ。

 え? 何にそっくりだって? よくきこえなかったし。


「△△△って、双子だったのぉー!?」

「うわっ! えっ? えっ? な、なんなんだよっ!」


 みんなしてオレのところに、きたぁーーっ!


「うわぁー! ほんと、似てるぅー!」

「こういうのって『シローン』だっけ?」

「あははっ! 違うよぉー。『クローン』だよぉー」

「でも……ちょっと、ちがくない? 目とかさぁ……」

「あーそうかもねー。それでも、やっぱり似てるってー!」


 あっという間に囲まれた……。

 オレの、何がそんなにめずらしいんだ?


「ほらほら『みかる』ちゃん! はずかしがってないで来てごらんよー!」

「う、うんっ……」


『みかる』ちゃん?


 一人の女子に手を引かれてきたコが、モジモジしながらオレの前に立った。


 …………えっ? マジかよ。

 この、かみの長いコ……

 オレに似てる。


 女のコなのに似てるし。


 オレに似てるけど……

 かわいいし。



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