テキストサイズ

ゴッドフィンガー田螺

第3章 ホラ、昨日までの田螺とお別れしよ?

俺は、今公園の入り口前で壁に貼り付きながら、奴を待っていた。



時刻は、約21時34分45.432秒……辺りは、勿論暗い……あるのは、一本の街灯から放たれる僅かな光のみ。
こんな日に限って天は、クラウディ……ムーンの光さへもありゃしない。


しかし……相手は、まだ来ないな……もしかして、俺が騙されたのか……?
確かに待ち合わせ場所は、ここって言ってたし……
はっ……!これは、組織からの罠……ッ!?

へっ……俺は用済みってか……いい気になりやがって……!



俺が1人主人公なりきりフューチャーズをしているその時だった。



「ん……?むむっ!?誰か来たぞ……」



そう、公園に向かって誰かが歩いてきているのだ。
俺の心臓がどくんと動き始めたのを感じる。
暗くても分かる、シルエットのようになった人影……



こんな夜に公園に来る奴なんて……淫乱女か……変態幼女か……家出ちっぱい僕っ子か……お尻のしまった阿部さん位しかいねぇ……
よってアイツは、間違いなく削ぎ落とし犯……!略してそぎちゃん!!!



「やっと来たか!!!」



俺は、入り口の前に立ちはだかるように立った。
今なら解る……こいつから溢れ出る、殺人的オーラをッッッ!!!



徐々にシルエット状になっていた姿が街灯の灯りによって露わになる。



「お、お前は!?」



そこにいたのは……



「ふふん……こんばんは♪犯し人さん♪」



ただのおばちゃんだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ