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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第3章 過去

 私は自身の手を見る。

 私の手は――初音の中にあった。

 正確にいえば腹の中、といった方がいいのだろうか。
その部分だけ透けているように外の景色が見える。

 ――この男......ひょっとして......今までの......。

「気付きました?

 そうですよ、幽霊なんですから、普通なら触れませんよね?

 意図的に力でも入れないと」

 ――怖い。

 そう感じた瞬間、身体が膠着する。

 ――この男が恐ろしい。

 そう思えば彼にとっては好都合だろう。

「っ!?」

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