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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第1章 思い出ってなんですか?

「美鈴、死んじゃったから誰も気づいてくれないし、誰とも話せないんだ......」

 ただ頷くことしか出来ないが、それに対し彼女も不満はなさそうだった。もっと生きたい。そんな弱音は吐かず、ただただ残念そうに、寂しそうにこう言ったんだ。

「じゃあゆうきちゃんもそうなるのかな?
 そのうち私のことわかんなくなったりとか、私と話さなくなったりとか......

 わたしと......お友達じゃなくなっちゃったりとか......」

 ――彼女は泣いていた。それが、私にとっても酷く悲しいことで、だから私は思わずこう答えてしまった。


「そんなことないよ! 私達、ずっと友達だよ!!」


 彼女の目から涙が引っ込んでいく。少しばかり驚いたような目で、彼女は「本当?」と問いかける。「本当だよ」と私は答える。


 ――それが全ての間違いであるとも知らずに。

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